歯科用金銀パラジウム合金とは?メリットやアレルギーについても解説!
最終更新日:2023.3.2

歯科用金銀パラジウム合金とは?メリットやアレルギーについても解説!

日本では保険が適用される歯科治療に、歯科用金銀パラジウム合金が長年使用されてきました。ここでは、歯科用金銀パラジウム合金とは何か、そのメリットとデメリットについて解説します。

歯科用金銀パラジウム合金とは?

歯科用金銀パラジウム合金とは、「金:12%、パラジウム:20%、銀:約50%、銅:約10%」から組成される合金です。歯科治療で用いられる際は、一般的に銀歯や銀の詰め物とも呼ばれます。

アマルガムとは?

日本では銀の詰め物として、アマルガムを長らく使用してきました。水銀と他金属との合金でできており、正式には「歯科用水銀アマルガム」といいます。アマルガムに含まれている水銀は有害なメチル水銀のことではなく、無機水銀と呼ばれるものです。ただし、この水銀が時間の経過とともに溶けて体内に蓄積し、健康被害につながると不安視する声があります。そのため、海外では歯科治療で使用禁止になっている国もあります。日本でも以前まで銀歯の詰めものにアマルガムが使用されていましたが、2016年に保険適用から外れてからは治療で用いられなくなっています。

歯科用金銀パラジウム合金のメリット

1.強度が高い
歯科用金銀パラジウム合金は、強度の高さが挙げられます。特に噛むときは奥歯に強い力がかかるため、保険診療内で治療を望む場合はコンポジットレジンより、歯科用金銀パラジウム合金の方が割れにくい性質を持っています。

2.保険診療が適用される
2つ目のメリットは、保険診療の適用です。治療費をできるだけ安く抑えたい場合、安価で強度の高い歯科用金銀パラジウム合金が選択肢となります。症状によって異なりますが3割負担の場合、詰め物は3,000円前後、被せ物は3,850~4,400円程度です。

3.機能回復効果に優れている
食事をするうえで、「噛む」行為はとても重要です。歯科用金銀パラジウム合金は強度が高く割れにくい性質のため、噛む機能回復を見込めます。特に範囲が広い、神経治療を要するほど深い虫歯などは、修復する範囲も広くなるため、保険診療での治療を行う場合は歯科用金銀パラジウム合金が適しています。

歯科用金銀パラジウム合金のデメリット

1.アレルギーの危険がある
歯科用金銀パラジウム合金を使用する治療法は、一定水準の安全性をクリアしているものの、金属が溶け出す、歯茎が黒ずむ、金属アレルギーなどがデメリットとして挙げられます。特に金属アレルギーの症状として、金属と接触する部分が炎症を起こして変色、頭痛や肩こり、脱毛やめまいの要因となるケースもあります。金属アレルギーではないと思っていても、含まれる金属の種類によってアレルギー症状が現れる場合があるため、何かしらの症状や体調不良が現れた場合は、銀歯・銀の詰め物が原因の恐れが考えられます。

2.虫歯になりやすい
歯科用金銀パラジウム合金は年月とともに劣化し、歯と銀歯に隙間が生じて虫歯の再発を招きやすいといわれています。また、歯と銀歯がそもそも密着しておらず、隙間から虫歯が進行する場合もあります。

3.目立つ
例え奥歯であっても、銀歯や銀の詰め物はとても目立ちます。見た目が気になると、思い切り笑えない、会話中に口元が気になるなど、私生活に影響を与えてしまう恐れがあります。

銀歯による金属アレルギーと円形脱毛の関係についてはこちら

おすすめの虫歯治療法

強度が高く保険診療が適用される反面、やはりデメリット部分が気になる方も多いのではないでしょうか。金属アレルギーや見た目が気になるといった方には、金属を使用しないメタルフリーの治療がおすすめです。

レジン

レジンとはセラミック粒子と合成樹脂を、8:2で組み合わせたプラスチック素材です。保険診療が適用され3割負担の場合、費用は1,500円前後といわれています。

セラミック

歯科におけるセラミックは、強度の高い陶器素材を使った治療です。いくつか種類がありますが、自然な透明感と色の調整がしやすく天然の歯に近い色合いが特徴です。セラミックは保険診療が適用されないため高額になりがちですが、審美性・耐久性を兼ね備えた治療方法です。費用はセラミックの種類で異なりますが、セラミッククラウン(被せ物)は1本10万~20万円、セラミックインレー(詰め物)は5万~8万円程度が目安です。

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まとめ

歯科用金銀パラジウム合金における、メリット・デメリットをご紹介しました。いわゆる銀歯や銀の詰め物は保険診療が適用されるため安価で、金属でできているので強度が高いのが特徴です。しかし、長期的に見ると金属アレルギーや審美性に欠けるなどデメリットがあります。
特に金属アレルギーはさまざまな症状が現れますので、どの素材で治療を進めるかは、リスクの低いメタルフリー素材も合わせて検討しましょう。

東京先進医療クリニックについて

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先進的な機器を揃えた設備と高度な技術を持った医師、スタッフ一同でご来院お待ちしております。

監修ドクターの紹介

非公開: 林 伸至
東京先進医療クリニック
歯科・口腔外科 診療部長
歯科新宿院院長 歯科医師
非公開: 林 伸至
Shinji Hayashi

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE

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