
マウスピース矯正は他人から気づかれにくい歯列矯正ですが、治療期間はどのくらいかかるのでしょうか?ここでは他の矯正治療と比較しながら説明します。
矯正の種類
歯科矯正は歯並びや咬み合わせの治療を目的としており、大きく分けて「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」「セラミック矯正」があります。適応範囲や費用、通院頻度、装置の種類など、それぞれ特徴が異なるため、自身に合った方法を選ぶ必要があります。
部分矯正
部分矯正とは、前歯だけなど一部分のみを動かす矯正治療です。目立つ前歯の歯並びだけを改善したいという審美目的、全体矯正にかかる時間や費用を抑えられるのがメリットといえます。
・歯列がガタガタしている、八重歯が目立っている
・空隙歯列(すきっ歯)
・前歯の1~2本がねじれている
・軽度の出っ歯や、上顎全体ではなく、歯が少し前に出っ張っている
症状が重い場合、つまり噛み合わせの改善など機能回復が主な目的の場合は、全体矯正が必要となるケースが多いようです。
部分矯正の場合、歯を動かす範囲が限られているため、スペースの確保が非常に重要です。でこぼこだった歯を同じスペースの中でまっすぐに整えると、出っ歯になる恐れがあるからです。そのため、症状によってはスペースを広げる目的で、歯と歯の間をわずかに削って隙間を作ることがあります。
全体矯正
全体矯正は名の通り、前歯奥歯を含めて全体的な歯列矯正です。奥歯も含めて歯を動かすため、より多くの症状に対応できます。噛み合わせに問題がある場合は、全体矯正によりしっかりした咬合(こうごう)を目指せるため、噛む機能の改善が見込めます。歯が骨の中に埋まっていたり、傾斜の程度が大きかったりする場合は一般的に全体矯正が必要になります。
矯正期間は大きく分けて2つ
全体矯正と部分矯正の矯正期間の目安について上述しましたが、矯正期間はさらに大きく2つに分けられます。
矯正のため歯を動かす期間
一般的に矯正期間といえば、実際に矯正装置を装着して歯を動かす期間です。症状や装置の種類、年齢などで異なりますが、治療の期間の目安として部分矯正は2カ月~1年程度、全体矯正は1年~3年程度です。
歯の後戻りを防ぐ保定期間
歯を動かした後、歯は元の状態に戻ろうとします。それを回避するために、リテーナーという保定装置で歯の後戻りを防ぎます。
リテーナーには取り外しができない固定式と、取り外し可能な可撤式の2種類があります。固定式のリテーナーは、前歯の裏側に接着剤でワイヤーを装着します。後戻りを防ぐ点では優れた方法ですが、取り外したい場合は歯科医院に行く必要があります。それに対して、可撤式のリテーナーはいつでも自分で取り外せる点は便利ですが、注意していないとせっかく矯正した歯列が元に戻ってしまいます。
治療完了直後は歯が動きやすいため1日の大部分リテーナーを装着して過ごす必要があり、就寝時間も含めて20時間以上が推奨されています。保定期間は1~2年程度で、時間の経過とともにその時間は短くなっていき、1年半を過ぎると就寝中だけの装着で済むようになります。
矯正方法別の治療期間目安
マウスピース矯正とワイヤー矯正、それぞれの概要、費用、治療期間目安、またメリット・デメリットについて以下でご紹介します。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して矯正を目指します。治療計画に沿ってマウスピースを作成し、完了まで複数回取り変えながら少しずつ歯を動かしていきます。
治療期間の目安は部分矯正で5カ月~1年半、全体矯正であれば1年~2年程度です。費用は症状や治療に必要になるマウスピースの数などで異なりますが、55万円~100万円程度が目安となります。
マウスピース矯正(インビザライン)
マウスピース矯正のメリット
1. 目立たない
ワイヤー矯正と異なり、透明なマウスピースは装着していてもほとんど目立ちません。見た目を気にする人や、矯正していることを周囲の人に知られたくない方に向いている治療方法です。
2. 異物感や痛みが少ない
ワイヤー矯正の場合は矯正装置痛みを感じたり、金属で口の中をケガしたりする恐れがあります。しかし、マウスピース矯正は装着し始めの違和感はあるものの痛みはほとんどなく、治療中のストレスは少ないといえます。また、違和感がある場合マウスピースは自分で取り外し可能ですが、ワイヤー矯正はそれができない点も違いのひとつです。
3.ケアがしやすい
ワイヤー矯正は取り外すことができないため、食べかすなどをきちんと歯磨きで落とさないと虫歯や歯周病の原因になりかねません。マウスピースは食事のたびに外し、歯磨きをしてまた装着するため、ケアがしやすいといえるでしょう。
マウスピース矯正のデメリット
1.適応できる症例に限界がある
ワイヤー矯正に比べて、マウスピース矯正による治療範囲には限界があります。例えば、骨格が大きくずれている出っ歯や、奥歯の噛み合わせが左右にずれているクロスバイト、歯列が左右非対称な場合などは、マウスピース矯正では対応できないこともあります。
2.自己管理が重要
マウスピースは自分で取り外しができる点がメリットですが、その分自己管理が必要です。治療のルールを守らないと、思ったような結果を見込めません。マウスピース矯正の1日の装着時間は20~22時間といわれており、食事以外の時間は常につけておかなければなりませんが、それを継続するには徹底した管理が必要になります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面もしくは裏側に装着したブラケットにワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。一昔前まではワイヤー矯正が一般的であり、現在でも症状に合わせて用いられています。
ワイヤー矯正の治療期間は、1~3年程度が目安です。費用は表側矯正で60~100万円程度、裏側矯正で100~150万円程度となります。
ワイヤー矯正のメリット
1.治療可能な症例の範囲が広い
マウスピース矯正で適応が困難な症例でも、ワイヤー矯正であれば治療可能な場合があります。抜歯による矯正も可能であり、3mm以上の歯の移動などにも適応できます。
2.付け忘れがない
マウスピース矯正と異なり、ワイヤー矯正は矯正装置をずっと装着したままのため、付け忘れることはありません。
ワイヤー矯正のデメリット
1.目立ちやすい
裏側矯正なら矯正装置は周りから見えませんが、前歯の表側に装着する場合は目立ってしまいます。費用が少し高くなりますが、目立つワイヤーを避けたい場合は裏側矯正を検討しましょう。
2.強い痛みを伴うことがある
ワイヤー矯正は歯列を大きく変化させるため、その分治療中に大きな力がかかります。そのため、強い痛みを伴うことがあります。
3.ケアがしにくい
ワイヤー矯正の場合、矯正装置を自分で外すことができないため、食べかすや歯垢などが詰まりやすいといえます。歯磨きもしにくいため、ケアをおろそかにすると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
マウスピース矯正の治療期間を長引かせないポイント
自己管理が重要となるマウスピース矯正ですが、治療期間を長引かせないポイントをまとめました。
マウスピースの適切な管理
食事の際などマウスピースを取り外した場合は、適切な管理が必要です。マウスピース専用のケースがありますので、外食するときなどはきちんと持ち歩きましょう。マウスピースを管理しないと紛失や破損の恐れがあり、再製作が必要になると治療期間が延びてしまいます。
装着時間・期間の厳守
マウスピースの装着時間は、1日20~22時間とされています。望んだ結果を得るためには、装着時間を厳守しましょう。
虫歯や歯周病対策をする
マウスピースを外したときは、しっかりと歯磨きをして虫歯や歯周病対策をしましょう。ケアをおろそかにして虫歯ができてしまうと、マウスピースの再製作が必要になります。結果として治療期間が延びてしまい、場合によっては追加の費用がかかるため注意が必要です。
治療完了後のリテーナーの装着
長い矯正治療を終えたら、後戻りを防ぐためにリテーナーの装着が1~2年必要になります。特に治療完了後は元の状態に戻りやすいため、リテーナーをしっかりと装着しましょう。
まとめ
マウスピース矯正の治療期間、費用、メリット・デメリット、ワイヤー矯正との違いなどについてご説明しました。取り外しができるマウスピースですが、その分自己管理が求められるため、人によって治療結果に開きが出てしまいます。マウスピース矯正を選択する場合は歯科医師の指示やアドバイスをしっかりと聞き、治療期間を長引かせないようにしましょう。
東京先進医療クリニックについて

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監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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