
インビザラインによる矯正費用は、部分矯正で約30万円~40万円、全体矯正で約70万円~110万円程度かかるとされています。治療費以外にもカウンセリング費用や、矯正装置料などがかかります。本記事では、インビザラインを使用した矯正費用について解説します。
インビザラインとは
歯科矯正は、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、セラミック矯正の3つに大別できます。インビザラインはマウスピース矯正の1つで、アメリカのアライン・テクノロジー社が1997年に開発した新しい治療システムです。
セラミック矯正は歯を動かして矯正するのではなく、歯の上にセラミックのクラウンを被せて見え方を整える方法です。それ以外の矯正は1年~3年の期間をかけて、少しずつ歯を移動させて歯並びを整えていきます。その中でもマウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着しながら矯正を行うため、目立ちにくい点が特徴です。
インビザラインは、コンピュータによる3Dシミュレーションや、AIを駆使し治療をします。例えば光学スキャナーiTeroは、一度の型取りで目標の歯並びまでの段階的なマウスピースをつくる装置です。世界中で1,000万人以上が使用しており、そのデータに基づいて歯がどのくらいの時間をかけて、どのように動くかを予測します。10日~2週間ごとに矯正の段階に合わせ、マウスピースを交換しながら矯正を進めます。
インビザラインの最大のメリットは、透明のマウスピースを装着するため、周囲に気づかれにくい点です。ワイヤー矯正と違いマウスピースは、歯磨きや食事の際に取り外しが可能で、食べかすが装置に挟まりにくく、お口の中を衛生的に保てます。デメリットは長時間装着するのに、自己管理が必要な点です。一般的にマウスピースは、1日20時間以上の装着が必要とされています。また、歯並びを大きく動かす必要がある症例には、対応できないこともあります。
インビザラインの費用相場
インビザラインに限りませんが、歯科矯正の治療費は歯並びの状態や患者さまのニーズによって大きく変わります。あくまでも平均的な費用相場ですが、全体矯正は70~110万円程度、部分矯正は30~40万円程度だといわれています。
支払い方法は「総額制」と「処置別支払い制」の2種類があり、クリニックごとに異なります。総額制はトータルフィー制とも呼ばれ、治療完了までにかかるすべての費用を事前に支払うシステムです。治療回数が増えても、治療費が上乗せされないことがメリットです。処置別支払い制は、通院ごとに費用を支払うシステムです。1回で高額を支払う必要がない点が、メリットといえるでしょう。
また、デンタルローンのように、高額な歯科医療にのみ適用されるローンもあります。歯科医院の受付にて申し込み可能なことが多いですので、1回の負担を減らしたい方は検討してみましょう。
インビザラインの費用内訳
カウンセリング費用
矯正治療に限らず、歯科治療は患者さまの歯並びの状態を確認するカウンセリングから始まります。カウンセリングの際に矯正治療のメリット・デメリット、かかる期間や費用など、不明な点は確認しておきましょう。矯正治療を始める前に、精密検査やその検査結果に基づく治療計画の説明を受けます。その際、精密検査費や診断料が必要になる場合があり、事前検査やカウンセリング費用として10,000円程度みておきましょう。
矯正装置料
インビザラインで高額なのが、矯正装置料です。全体矯正か部分矯正かで費用は大きく異なるため、金額に幅があると留意しておきましょう。
ただし、インビザラインは最初の段階で矯正プロセスをシミュレーションして、2年~2年半程度で治療を終えられるように計画を立てます。初期の計画段階で費用を割り出すため、追加費用がかかりにくいです。一方でワイヤー矯正の場合は、最初の段階で正確な治療計画を立てることは難しく、治療の経過によっては期間が延びて、費用が想定より高額になることもあります。
しかし、インビザラインは最初に提示された治療計画に基づき、きちんとマウスピースを装着しつづければ、計画された期間内で基本的に治療が完了します。
なお、インビザラインの治療期間は、症状によって異なります。下記は、その一例です。
症状 | 治療期間 |
---|---|
出っ歯 | 7カ月~2年程度 |
すきっ歯 | 5カ月~1年程度 |
八重歯を含めた叢生 | 5カ月~1年半程度 |
矯正調整料
歯科医院によっては、毎月の通院ごとに矯正調整料がかかります。インビザラインの場合は、3,000円~5,000円が相場といわれています。矯正終了後は歯列が戻らないようにするための保定期間としてかかる費用は、毎回2,000円~5,000円程度です。通院ごとに矯正調整料がかかるため不安になるかもしれませんが、この点でもインビザラインは先述のとおり治療期間を最初に計画するので、予定が立てやすいのがメリットです。
抜歯費用
矯正治療で歯を大きく移動させる際には、抜歯が必要になります。その場合は保険が適用されることもありますが、自費治療では5,000円~10,000円程度かかります。
インビザラインの保険適用について
インビザラインを含めて矯正治療は基本的に自由診療となり、保険適用外です。病気の治療ではないことや、厚生労働省が矯正治療に保険適用を認めていないことが主な理由です。歯並びが悪ければ、歯周病や虫歯になる可能性が高くなります。しかし、矯正治療をすることで、それらの病気のリスクを確実に軽減できるわけではありません。
とはいえ、矯正治療は100%保険適用外とはいえません。厚生労働省が指定している疾患に関しては、保険適用が可能です。例えば、顎変形症という著しい受け口や出っ歯などで噛み合わせに異常が生じ、手術が必要な場合などは例外的に保険が適用されます。ただし、インビザラインでの矯正はそうした疾患の治療を想定していないため、原則として保険適用はできないと覚えておきましょう。
なお、自由診療であっても医療控除は適用されます。矯正治療の目的が審美ではなく、医療であるとみなされれば、医療控除の適用が可能です。
インビザラインの部分矯正・全体矯正の費用内訳
部分矯正について
インビザラインの部分矯正は、約30万円~40万円かかります。部分矯正では前歯の中心から、左右3本分だけ矯正をします。その他、カウンセリング費用や矯正装置料、矯正調整料など、前述同様の費用がかかることがあります。矯正に伴い抜歯をする場合も、抜歯費用が別途必要です。
また、部分矯正であっても、マウスピースは奥歯まで覆ったものを使用しますが、噛み合わせが変わるのを防ぐためです。部分矯正を希望しても歯科医師の判断で、全体のバランスを考えた全体矯正になる場合もあります。
全体矯正について
インビザラインで全体矯正を施す場合は、約70万円~110万円かかります。全体矯正は抜歯矯正や、複雑な矯正にも対応可能である点がメリットです。全体矯正でも、カウンセリング費用・矯正装置料・矯正調整料がかかり、症状によっては抜歯が必要になることもあるでしょう。
まとめ
インビザラインの治療費は、部分矯正で約30万円~40万円、全体矯正で70万円~110万円程度が相場です。治療費以外にもカウンセリング費用や矯正装置料、矯正調整料などがかかる場合があります。インビザラインのメリットは、治療計画がワイヤー矯正よりもわかりやすく、治療前に費用が算出しやすいことです。どの程度費用がかかるか、詳細を知りたい場合は、まずは歯科医院に相談してみましょう。
東京先進医療クリニックについて

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監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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