
インプラント治療を検討していると、抜歯の必要性や痛みなどが気になる方は多いのではないでしょうか?実際にインプラント治療では、人工歯根を埋め込むため、必要に応じて抜歯が行われます。
この記事では抜歯の必要性、痛みや腫れの対処法、具体的なインプラント治療について解説しています。
歯のインプラント手術とは?
インプラント手術とは、虫歯や事故で歯を失った際に、人工歯で歯を補う治療法のひとつです。具体的にはあごの骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込み、アバットメントと呼ばれる土台を設置してから、セラミック素材などで作られた人工歯を取り付けます。
人工歯根であるインプラント体はチタン素材を使っており、金属アレルギーのリスクが低いとされています。
また、インプラント治療は基本的に自由診療となり、健康保険は適用されません。そのため、治療費が高額になるケースが多く、歯科医院によって費用も異なります。費用や保証内容も合わせて、歯科医院を選びましょう。
インプラント手術で抜歯が必要な理由
インプラント手術では、人工歯根であるインプラント体を埋め込むため、抜歯が必要となります。一般的には虫歯や歯周病がかなり進行している、歯の根っこが割れているなどです。
歯周病が原因である場合、歯には問題がないケースもありますが、歯根部分まで歯周病菌に侵される心配が考えられるときは、抜歯が必要となります。
インプラント手術の抜歯の痛み・腫れについて
通常の抜歯と同じく手術中は局部麻酔を行うため、痛みをほとんど感じません。しかし、術後は免疫・防御反応の影響や、細菌感染などで痛みや腫れを伴う場合があります。
一般的に2~3日で症状は治まりますが、大きな手術が必要なときは落ち着くまで10日ほどかかる方もいます。
抜歯後にインプラントを入れる方法
インプラント手術には、1回法の「抜歯即時埋入法」と2回法の「抜歯待時埋入法」があります。
従来では2回法が一般的で、抜歯した穴が埋まるまで3カ月~8カ月ほど様子をみます。これは抜歯箇所の骨と歯茎が戻ってから、インプラント体を埋め込むための期間であり、もし不足している場合は、人工骨などで補います。
そして近年では技術の進歩により、1回法で行う手法もあります。抜歯したらドリルなどで穴を整え、そのままインプラントを埋め込みます。その際、2回法と同じく骨が不足している場合は、人工骨や自家骨で補填します。
1回法(抜歯即時埋入法)のメリット・デメリット
メリット
1回法のメリットは、外科手術が1回のみで治療期間が比較的に短い点です。さらに、抜歯してすぐにインプラントを埋め込むため歯茎の切開がなく、治癒力も高い傾向があるため、回復も早いとされています。
その他、抜歯からインプラント埋入まで間隔を空けないため、歯茎の形状変化や骨がやせ細るリスクがなく、インプラントが安定しやすくなります。
デメリット
1回法は高度な技術を要するため、歯科医院によっては対応していません。できるだけ早く治療を終えたい、手法の選択肢を広げたい方は、1回法・2回法どちらも対応している歯科医院を探す必要があります。
また、インプラントを埋め込む部位付近に虫歯や歯周病があったり、歯茎やあごの骨が大きく欠損していたりなど、何か問題があると1回法は行えないケースもあります。
2回法(抜歯待時埋入法)のメリット・デメリット
メリット
あごの骨や歯茎の損傷があっても、2回法であれば対応できる可能性があります。加えて、抜歯から2カ月~3カ月間は細菌感染のリスクが高いといわれており、この期間を過ぎてからインプラントを埋め込むため、感染のリスクが抑えられます。
その他、インプラントを埋め込む土台をしっかりと整えるために、骨の形成や移植などを行ってから2回目の手術をするので、インプラントの安定性が高まります。
デメリット
2回法の大きなデメリットは、治療期間が長く手術を2回行うため、患者さんの負担が大きい点です。お口の状態によっては約1年かかるケースもあり、長くなればなるほど身体的な負担がかかります。
また、抜歯後からインプラント埋入まで、歯がない状態となります。そのため部位によっては、目立つ恐れが考えられます。
抜歯後のインプラント手術の流れについて
インプラント手術の具体的な流れについて、ご紹介します。
1回法(抜歯即時埋入法)の流れ
1. 虫歯や歯周病などで傷んだ箇所の抜歯
2. 抜歯した箇所をすぐにドリルで整える
3. インプラント体を埋め込む
4. インプラント体と骨を結合するまで約3カ月~5カ月の治癒期間を設ける
5. 結合したら歯茎の治癒を促進させるために、専用のキャップを取り付ける
6. 仮歯でかみ合わせの調整し、問題がなければ人工歯を取り付ける
2回法(抜歯待時埋入法)の流れ
1. 虫歯や歯周病などで傷んだ箇所の抜歯
2. 抜歯で開いた穴が埋まるまで、3カ月~8カ月ほど様子を見る
3. 抜歯箇所の骨がしっかりと戻っていると確認が取れたらインプラント体の埋入手術を行う
4. インプラント体と骨を結合するまで約3カ月~5カ月の治癒期間を設ける
5. 結合したら歯茎の治癒を促進させるために、専用のキャップを取り付ける
6. 仮歯でかみ合わせの調整し、問題がなければ人工歯を取り付ける
インプラント体を埋め込んだ後の流れは、1回法・2回法どちらも一緒です。
インプラント手術による腫れを軽減する方法
インプラント手術に伴う、腫れや痛みを軽減する方法をまとめました。
方法① 処方された薬をしっかりと飲む
手術後は基本的に、抗生物質や痛み止めが処方されます。医師の指示に従い、しっかりと用法・容量を守って服用しましょう。特に抗生物質を飲み忘れてしまうと、細菌感染のリスクが高まるため要注意です。
もし痛み止めを飲んでも痛みが緩和されない、いつまでも痛みが続く場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
方法② できるだけ安静に過ごす
手術直後の2日~3日は、できるだけ安静に過ごします。腫れがある状態で運動や入浴をしてしまうと、血行が促進され腫れや痛みが増加する恐れがあります。
仕事や家事の負担も要注意です。手術直後に忙しく動き回らないよう、スケジュール調整もしっかりと行いましょう。
その他、飲酒や喫煙もNGです。飲酒は血行を促進させ、喫煙は傷の治りを遅くするといわれています。軽い運動や湯船につかるなどは、医師の指示に従って行いましょう。
方法③ 手術箇所にできるだけ刺激を与えない
手術箇所はとてもデリケートな状態です。患部で食べ物を噛んだり、舌で刺激を与えたりしないように注意しましょう。
また、術後1週間程度までは硬い食事や辛いものなどは避け、柔らかく刺激が少ない食事を心がけてください。
方法④ セルフケアを行う
手術後は細菌感染のリスクが高い状態です。歯磨きやうがいなどで、細菌感染の予防に努めましょう。
ただし、手術箇所は歯ブラシで刺激を与えてしまうと、傷口が悪化する恐れがあります。どのようにケアをしたらいいのか、歯科医院でしっかりと聞いてきましょう。
自分に合った、抜歯後のインプラント手術の決め方
インプラント手術には、1回法・2回法があるとお伝えしましたが、どちらが自分に適しているのでしょうか。手術方法の判断基準は、以下のようになります。
骨の厚みがしっかりとあるか
1回法・2回法の判断基準として、骨の厚みが重視されます。歯科用CTなどの事前の検査で、骨の厚みが不足していると判断された場合は2回法が推奨されます。
歯周病の有無
歯周病を発症している場合、細菌感染のリスクが高くなるため、1回法での手術は難しいと判断されます。
歯周病がある状態では、埋め込んだインプラント体が抜け落ちる恐れもあるため、2回法で土台をしっかりと整えます。
まとめ
インプラント治療は歯を失った際に、自由診療で受けられる治療方法のひとつです。必要に応じて抜歯を行いますが、健康な歯を抜くことに抵抗がある方は、別の治療方法も合わせて検討できる歯科医院を選びましょう。とはいえ、インプラントは治療期間が長く費用が高額というデメリットはあるものの、天然の歯と同じような仕上がりが目指せます。
また、近年では1回法・2回法があり、手法の幅が広がりつつあります。自身に適した治療法に加え、費用・治療期間・治療後の保証内容など、さまざまな要素を総合的に相談に応じてくれる歯科医院を見つけましょう。
東京先進医療クリニックについて

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監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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