
インビザラインのマウスピース矯正では、ゴムかけと呼ばれる治療を行う場合があります。これは、かみ合わせを調整するもので、開始時期は人それぞれです。
この記事では、ゴムかけについて具体的な治療内容、効果やタイミング、ゴムの種類などについて解説します。
インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけとは何か?
インビザラインのマウスピース矯正では、治療の一環としてゴムかけを行うことがあります。「エラスティックゴム」や「顎間ゴム(がっかんごむ)」と呼ばれており、歯並びの矯正がある程度進んでから、かみ合わせの調整を行うものです。
小さな歯科用ゴムはいくつか種類があり、患者さんの状態に合わせて使い分けられます。
インビザライン(マウスピース矯正)におけるゴムかけの種類
ゴムかけの種類は主に4種類あり、それぞれの特徴をまとめました。
Ⅱ級ゴム
Ⅱ級ゴムは主に出っ歯(上顎前突)の方に使われ、上あごを後ろ、下あごを前方に動かします。上側は犬歯付近(前から3番目)、下側は第一大臼歯付近(前から6番目)にフックと取り付けてゴムをかけます。
Ⅲ級ゴム
Ⅲ級ゴムは受け口(下顎前突・反対咬合)で主に使用され、言い換えるとⅡ級ゴムとは反対の作用があります。
そのため、上側は第一大臼歯付近(前から6番目)、下側は犬歯付近(前から3番目)にフックとゴムを取り付け、受け口の矯正を行います。
垂直ゴム
垂直ゴムは開咬(かいこう)と呼ばれる、上下の前歯が開いている場合に使用します。歯は上下で同じ名前があり、例えば「上と下の犬歯」の表側にゴムかけをします。
交叉ゴム
交叉ゴムはクロスゴムとも呼ばれており、交叉咬合(こうさこうごう)の矯正に使われます。交叉咬合は、前歯付近は正常であっても、途中から歯並びが交差(交叉)している状態を指します。
垂直ゴムと同じく上下で同じ名前の歯に取り付けるのですが、クロスするように表側と裏側に取り付けます。
インビザライン(マウスピース矯正)におけるゴムかけの特徴とメリット
目立ちにくい
ゴムをかけるために、マウスピースや歯にボタンやフックを取り付けますが、前歯付近で目立ちやすい箇所には、樹脂製の透明な素材を使います。
そのため、ゴムかけをしていても目立ちにくいのが特徴です。
着脱が可能
基本的にインビザラインのマウスピースと同じく、ゴムかけも1日20時間ほどの装着が必要です。しかし、自身で装着を行うため、食事の際には自身で着脱ができます。
衛生的に使用可能
一度使用したゴムは劣化してしまうため、着脱のたびに新しいゴムに交換します。毎回新しいものを使うので、衛生面の心配が少ないといえます。
いつから行う?インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけをするタイミング
ゴムかけのタイミングは、患者さんごとに異なります。具体的な使用開始時期は、歯科医師の指示に従いましょう。
しかし、一般的には歯並びが整い始めた、中盤から終盤にかけて行われることが多いようです。とはいえ、症状や状態によっては治療直後に行うケースもあり、不安な方はゴムかけの必要性について、歯科医師にしっかりと確認を取りましょう。
【種類別】インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけを行う方法
それぞれ、ゴムかけのコツをまとめました。上手く着脱ができず困っている方は、ぜひ参考にしてください。
Ⅱ級ゴム
基本的にゴムかけをする順番はありませんが、上あごを後ろに引いて上下間の差を減らすと、ゴムを付けやすくなります。
最初は鏡を見ながら、顎間ゴムの補助アイテム「エラスティックホルダー」を利用すると、自身でも着脱が行いやすいです。
Ⅲ級ゴム
Ⅱ級ゴムとは反対に、下あごを後ろに引いた状態にすると取り付けやすくなります。慣れるまではⅡ級ゴムと同じく、鏡を見ながらエラスティックホルダーを使いましょう。
垂直ゴム
前歯付近で使用されることが多いため、垂直ゴムは着脱がしやすいといわれています。難しくないとはいえ、小さなゴムを取り付けますので、エラスティックホルダーを使うと便利です。
交叉ゴム
交叉ゴムは着脱が難しいといわれていますが、先にマウスピースに取り付けると難易度が軽減されます。
とはいえ、ゴムを取り付けたマウスピースをはめる際に外れてしまうと、やり直しになってしまうため、慣れるまで時間がかかります。
インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけのポイントと注意点
装着時間と期間
ゴムかけはマウスピースと同じく、1日20時間~22時間の装着が必要です。食事や歯磨き以外の時間は、ほぼ付けている状態といえます。
仕事の都合やうっかり忘れなど、装着時間が短い日々が続くと作用が発揮されず、かみ合わせの調整が進まない、治療期間が長くなるといったリスクが生じます。
また、医師が指定する装着期間も守りましょう。毎日の装着が面倒であったり、痛みがあったりして独断で止めてしまうと、治療の効果が得られません。
正しく付ける
装着のコツを先述していますが、慣れるまでは難しく感じます。鏡やエラスティックホルダーを使い、正しく装着してください。
時間の経過とともに外れたり、取れかかったりする恐れもありますので、外れていないかこまめにチェックしましょう。
交換頻度
ゴムは最低でも1日1回は、交換する必要があります。一度使用したゴムは劣化してしまい、矯正力が弱まったり、切れやすくなったりしているため、再使用はNGです。
また、24時間が経過していなくても、ゴムが緩くなっていると感じた場合は、新しいものに交換してください。
予備のゴム
あくびや笑い話など、大きく口を開けた衝撃でゴムが切れたり外れたりする場合があります。食事の回数だけ持ち歩くのではなく、ゴムは多めに予備しておきましょう。
歯医者にきちんと相談する
インビザラインのマウスピース矯正やゴムかけは、つらいと感じたり痛みが生じたりします。1週間~2週間程度で慣れてくる方もいますが、異物感にどうしても馴染めない、痛みで仕事に支障をきたしているなど、さまざまな悩みを抱えている方もいます。
こうした悩みは、歯科医院・歯科医師にきちんと相談しましょう。自己判断で装着時間を減らしたり止めたりすると、時間やお金を無駄にしてしまう恐れや、かえって口腔内の状態を悪くする危険性があります。
インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけをきちんと行わないリスク
繰り返しになりますが、マウスピースの装着時間と同じく、ゴムかけも長時間の装着が必要です。医師の指示に従い、装着タイミングや時間を守らないと、矯正治療が失敗に終わる恐れがあります。
具体的には治療期間が延びる、かみ合わせが整わないなどのリスクが考えられます。かみ合わせはとても大切で、ズレていると食事や言葉の発音がしにくい、口が閉じにくい、あごに負担がかかるなど、さまざまなリスクを招く恐れがあるため、手間だと感じてもしっかりと行いましょう。
インビザライン(マウスピース矯正)のゴムかけがつらい場合は?
一般的には2週間程度で慣れてくる方が多いですが、どうしてもかけづらい、痛みが続くような場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
ゴムかけのコツは先述していますが、違和感を強く抱いたり、あごの痛みがあったりする状態で無理に続けてしまうと、かえって悪化させてしまう恐れがあります。
まとめ
インビザラインのゴムかけは、矯正を行ううえで大切な治療です。つけ始めは違和感や痛み、喋りにくい、口を開けにくいなどの悩みが生じますが、一般的に2週間程度で慣れてくるといわれています。もし、強い痛みやあごの痛みを感じた場合は、無理をせず歯科医院へ相談しましょう。
当院のマウスピース矯正(インビザライン)治療についてはこちら
また、ゴムかけはマウスピースと同じく、1日20時間程度の装着が必要です。付け忘れや見た目が気になり、外したままの時間が多くなると、矯正治療の期間が延びたりかみ合わせが整わなかったりなど、失敗だと感じてしまう恐れがあります。
とはいえ、矯正治療は長期間行わなければいけません。費用や治療期間も含め、しっかりと続けられるかどうかも視野にいれて、歯科医師と治療計画を立てることをおすすめします。
東京先進医療クリニックについて

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監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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