
マウスピース矯正の中でも、世界中で高い治療実績をもつ「インビザライン」。全体矯正の場合、2年~3年かかるといわれていますが、その期間を短縮できる画期的なツールが加速装置です。ここでは、インビザラインの加速装置とは何か、そのメリットや注意点について解説します。
そもそもインビザライン矯正とは?
インビザラインとはマウスピース治療のひとつで、米アライン・テクノロジー社が開発しました。全世界で1,200万人の圧倒的治療実績を持ち、日本でも全国2,700以上の歯科医院で採用されています。治療開始前に3Dシミュレーションを使って、歯の動きを予測し治療計画を立てるため、患者さまはゴールをイメージしやすいのが特徴です。
インビザラインを含めたマウスピース矯正は、取り外しできるため手入れがしやすく、矯正中の虫歯や歯周病の発症リスクが低いとされています。また、マウスピースはプラスチック製のため金属アレルギーの心配はなく、ワイヤー矯正に比べてゆっくり歯を動かすので痛みも少ないといわれています。
インビザライン矯正における加速装置について
インビザライン矯正における加速装置とは、矯正の作用を促進して治療期間を短縮する装置です。また、歯科矯正では加速装置以外にも、外科処置が採用されています
以下、主な加速矯正方法について紹介します。
コルチコトミー
「コルチコトミー」とは外科的処置のひとつであり、別名「歯槽骨皮質骨切除術」といいます。具体的には、歯肉内部の軟らかい骨組織に切り目を入れ、歯が動きやすい環境を人工的に作り出す手法です。大がかりな手術に思えますが、実際は親知らずの抜歯と同じ程度の手術で、入院の必要がなく当日は2時間程度で終わります。ただし、誰でもできるわけではなく、症状や歯列の状態によっては手術が見送られる場合もあります。
アクセルデント(AcceleDent)
アクセルデントとは、米オーソアクセル・テクノロジーズ社によって開発・製造・販売されている加速装置です。毎日20分間装置をくわえて、微細な振動を歯に与えて歯の動きを速める手法です。FDA(米国食品医薬品局)に承認されており、安全性は確認されています。
オーソパルス(Orthopulse)
オーソパルス(オルソパルス)は、カナダのバイオラックスリサーチ社が、開発・製造・販売している加速矯正装置です。アクセルデント同様、FDAの認可を得ているため安心して利用できます。
オーソパルスはアクセルデントと異なり、近赤外線により歯肉組織を活性化させ、痛みを緩和しつつ、歯の動くスピードを速めます。使用方法はアクセルデントと同じように、装置をくわえるだけです。毎日10分使い続けると、治療期間を従来の30%~50%短縮できるといわれています。インビザラインでは1週間~2週間に1回マウスピースを交換するのが普通ですが、オーソパルスを使用すれば交換頻度を3日~5日に1回にまで短縮が可能です。
加速装置のメリットについて
治療期間が短縮できる
アクセルデントやオーソパルスなど、加速装置を使用する最大のメリットは、治療期間の短縮です。インビザラインの場合、治療には2年~3年かかるのが一般的ですが、加速装置の使用で7カ月~1年にまで短縮できます。
治療中は歯磨きや食事の際、マウスピースを取り外さなければならず、ストレスを感じながらの生活ですが、加速装置の使用でより早く解放されます。
痛みを感じない
歯の動きを速める手法には加速装置だけでなく、コルチコトミーのように外科的処置を伴うものがあります。大規模な手術ではないものの、ある程度の痛みは避けられません。しかし、アクセルデントは振動、オーソパルスは近赤外線で歯や周辺の細胞に刺激を与え、徐々に細胞を活性化させるため、痛みを感じることはほとんどありません。
マウスピースを清潔に保てる
一般的にインビザライン矯正では、マウスピースの交換は1週間~2週間に一度ですが、加速装置を利用すると交換頻度が高まります。個人差はありますが、交換頻度が高ければ高いほど、マウスピースを清潔に保てます。
加速装置の不安要素
安全性
加速装置を使用するにあたって、多くの方が心配するのは安全性でしょう。この点、オーソパルスはFDAの認可を受けており、カナダでも安全性には問題ないとの報告が上がっています。しかし、日本の薬機法では認可されていない治療法です。まだ、多くの人に認知されておらず、もし安全性に問題が発生したらという不安は否めません。
費用
治療期間が短縮されれば、費用もその分だけ安くなるのではと思いがちですが、オーソパルスの料金の目安は106,700円~198,000円(税込)です。加速装置は保険が適用されないため、かなりの出費です。
使い方
加速装置は自分で使用するのが前提です。上述したように、お口でくわえて使用するタイプのため、それほど複雑な使い方が求められるわけではありません。とはいえ、慣れていないと上手に使えるかどうか不安になります。
仕上がり
インビザラインに限ったことではありませんが、歯列矯正で懸念されるのは後戻りです。せっかくきれいな歯列にしても、元に戻ってしまうのは本末転倒です。
この点、加速装置のオーソパルスは歯や歯骨に影響を与え、歯や骨の再生を促す効果があるため、仕上がりは安定するといわれています。
加速装置の使用方法
オーソパルスの使用方法は、唇と上の前歯の間に装置を置いたら上下の歯で噛みます。その際、力は加減して思いきり噛まないようにしてください。5分経つと音が鳴るため、装置を裏返して同じように5分くわえます。合計10分経てば、一日の治療は終了です。使用後は温水で洗浄してケースで保管します。
アクセルデントも同様で、お口に入れたら20分間噛みます。終わったら、装置を洗浄しましょう。
インビザライン矯正と加速装置を併用する際の注意点
装着時間を厳守する
加速装置の効果を最大限に発揮するためには、装着時間を厳守しましょう。オーソパルスは毎日10分、アクセルデントであれば20分使い続けてはじめて作用が発揮できます。また、一定期間継続的に使用することで、徐々に作用がでてきます。毎日使い続けるためには、装置が故障したり充電切れになったりしないように、自己管理も大切です。
マウスピースを決められた期間着け続ける
加速装置の利用目的は、治療期間の短縮です。しかし、治療を早く終えることばかり考えるあまり、決められた期間が経過していないのにマウスピースを自己判断で外すと、矯正効果を発揮できません。短縮される期間内で治療が終了しない場合でも、歯科医から現状について説明を受け、あとどのくらいで装着を終えられるか相談しておくとよいでしょう。
治療中のトラブルは歯科医にすぐに報告する
加速装置の使用に限ったことではありませんが、治療中のトラブルはすぐに歯科医に報告しましょう。忙しくて時間がとれなかったり、面倒くさく感じたりして報告しないでいると、歯列に予想外のズレが生じる恐れがあります。対応が遅れると修正が効かなくなることもあるため、早めの受診が大切です。
まとめ
インビザラインのメリットは多くの治療実績があるため、症例に基づいた3Dシミュレーションを使って、細かく治療計画が立てられることです。しかし、長期的な治療はストレスになるため、加速装置の利用も検討してみてはいかがでしょうか?加速装置を利用すれば、7カ月半の治療で完了できる可能性があります。
使用方法は難しくありませんが、大切なのは毎日の継続です。できるだけ短期間で矯正を終えたい方は、歯科医院で加速装置について相談してみましょう。
東京先進医療クリニックについて

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監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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