
茶渋で歯が黄ばむのは、紅茶や緑茶に含まれるタンニンなどの成分が、唾液中の金属イオンと合体し、歯の表面のペクリルに付着して色素沈着を起こすためです。歯の黄ばみは他人からの印象を左右する要素のひとつなので、どうにかしたいですよね。本記事では、茶渋で歯が黄ばむ原因、着色しやすい歯の特徴、茶渋をキレイにする方法などを紹介します。
茶渋で歯が黄ばむ原因とは?
茶渋がつきやすい飲み物には、主に次の3つが挙げられます。
- 紅茶
- 緑茶
- ウーロン茶
種類ごとに、歯が黄ばむ原因を見ていきましょう。
1:紅茶
紅茶に含まれるタンニンやカフェインは、唾液に含まれる金属イオンと合わさると、歯の表面を覆う薄い膜のペリクルに付着します。これがそのまま残ってしまうと色素沈着が起こり、ステイン(着色汚れ)となって黄ばみを引き起こします。ペリクルの役割は、歯を刺激から守ったり、再石灰化を促進させたりする働きがあります。しかし、色素を沈着させてしまうデメリットがあり、この点も黄ばみに関係しています。また、お茶の中でも紅茶はタンニンの量が多く、着色しやすいといわれています。そのため紅茶を飲む回数が多い方ほど、茶渋による歯の黄ばみには気を付けた方が良いでしょう。
2:緑茶
緑茶にもタンニンが含まれているので、茶渋で歯が黄ばむ原因は紅茶と同様です。ただし、紅茶に比べて緑茶は、タンニンの量が少ないとされています。
3:ウーロン茶
紅茶や緑茶と同じように、ウーロン茶にもタンニンが入っています。つまり、歯に付着したタンニンを放置してしまうと、黄ばみの原因になります。
参考までに、文部科学省の日本食品標準成分表(*1)を基に、上記3つの飲み物にどのくらいのタンニンが含まれているかを以下にまとめました。
タンニン含有量 | 抽出条件 | |
---|---|---|
紅茶 | 100mg | 茶5g、熱湯 360mL、1.5分~4分 |
緑茶(煎茶) | 70mg | 茶10g、90°C 430mL、1分 |
ウーロン茶 | 30mg | 茶15g、90°C 650mL、30秒 |
*1 出典:文部科学省「日本食品標準成分表」
抽出条件が異なるものの、これを見る限り3種類の中では、最も歯が黄ばみやすいのは紅茶といえます。
着色されやすい歯に特徴はある?
黄ばみが気になる方は、キレイにする方法の前に、着色しやすい歯の特徴を知ることも大切です。着色しやすい歯の特徴は、次の3つです。
- 歯磨きがしっかりできていない
- エナメル質が薄い
- 着色しやすい食べ物をよく食べる
以下記事でも、歯の黄ばみの原因や白くするための対策を紹介しています。
歯の黄ばみの原因と白くするための対策を紹介
歯磨きがしっかりできていない
歯磨きのやり方に問題があると、茶渋で着色しやすくなります。
問題のある歯磨きの一例
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歯ブラシのみでは、約60%の歯垢(細菌のかたまり)しか落とせないとのデータもあるため、歯磨きは歯間ブラシやデンタルフロスとの併用がおすすめです。そして歯磨きのポイントは、毛先が広がらない程度の軽い力で、小刻みに1本1本磨くことです。強い力で磨いてしまうと、歯のエナメル質が薄くなり、逆効果になる恐れがある点も覚えておきましょう。
エナメル質が薄い
人によっては歳を重ねてから、着色しやすくなったと感じるケースがあります。これは、歯のエナメル質がすり減ると、中にある黄色っぽい象牙質が見えるようになるためです。エナメル質は加齢とともに薄くなるのに対し、象牙質は厚みを増していくので、歳を重ねると歯は黄ばみやすくなるといえます。エナメル質が薄くなることでの着色は、紅茶やお茶などの外的な要因に対して、内的な要因とされています。
着色しやすい食べ物をよく食べる
普段から着色しやすいものを食べたり、飲んだりしている方は、歯の着色汚れが起きやすいと考えられます。
着色しやすい食べ物や飲み物の一例
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特に、色の濃い調味料や着色料が多く使われている、食べ物や飲み物は注意しましょう。加えて、アルコールには歯のエナメル質を溶かす働きがあるので、中の象牙質が見えやすくなります。また、タバコのヤニは付着力が高く、歯をさらに黄ばませてしまう恐れもあります。
着色汚れを放置するとどんな問題が起こる?
着色した歯の表面は、ザラザラして汚れが付きやすい状態になるため、さらなる着色汚れを引き起こしやすくなります。そうなると、今よりも顔全体の印象が悪くなるかもしれません。加えて、細菌が繁殖しやすいので、虫歯や歯周病につながるリスクも高まります。歯周病は、歯と歯茎の境目に残った細菌が炎症を起こし、歯を支える歯茎や骨を溶かしてしまう病気です。ひどくなると、膿が出たり歯を抜く必要が出てきたりします。しかも、タバコを吸っている人は吸わない人に比べて、3倍以上も歯周病にかかりやすいのが特徴です。また、糖尿病の方は歯周病の進行が早いといわれています。単なる黄ばみと思っていたものが、予想外の病気から起こっているケースがあるため、過度に着色汚れが目立つ場合は原因を突き止めましょう。
茶渋をキレイにする方法《自宅でのケア》
ここからは、茶渋をキレイにする方法を紹介します。まずは、自宅でできる以下の4つの方法を見ていきます。
- ステイン除去グッズの使用
- 着色を落とす歯磨き粉を使用
- ホワイトニングペンの使用
- 水流の利用
1:ステイン除去グッズの使用
市販されているさまざまなステイン除去グッズを利用すると、茶渋はキレイになる可能性があります。例えば、ステイン除去機能付きの電動歯ブラシや、高周波振動スケーラーなどです。こうしたグッズは手動でのケアよりも、効率的にキレイにできるでしょう。通常の歯磨きで茶渋を落とすのは難しいため、日頃の歯磨きに自信のない方は、これらを試してみるのが良いかもしれません。
2:着色を落とす歯磨き粉を使用
自宅でのケアでは、ホワイトニング用の歯磨き粉を使うのもひとつの方法です。普段使っている歯磨き粉を、ホワイトニング用に変えるだけなので、手間がかかりません。ホワイトニング用の歯磨き粉は、さまざまなメーカーから販売されていますが、研磨剤の量が少ないものを選ぶのがポイントです。研磨剤が多く含まれている歯磨き粉は、歯のエナメル質を薄くする原因になるため、黄ばみを強くしてしまう恐れがあります。なお、ホワイトニング用の歯磨き粉は、着色汚れがひどい場合に効果を感じにくいのがデメリットです。
3:ホワイトニングペンの使用
ホワイトニングペンとは、ペン先から出るホワイトニング剤を歯に塗ることで、茶渋をキレイにするアイテムです。
ホワイトニングペンの使い方
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手軽に持ち運べるので、仕事のお昼休みや外出先でも使いやすい点がメリットです。しかし、効果には個人差があり、持続性も期待できないといわれています。
4:水流の利用
汚れを落としにくい部分をキレイにしたい方は、水流で取り除く口腔ケア用品を試してみましょう。水流を利用した口腔ケア用品は、歯と歯のすき間、歯と歯茎の間、奥歯などの汚れに向いています。とはいえ、使用後にタンク内を乾かすなどメンテナンスに手間がかかり、歯茎が弱っている場合は水圧が強いと、痛みを感じるなどのデメリットも見られます。また、据え置きタイプはハンディタイプよりも場所を取るため、洗面所が狭い方は避けるのが無難です。
茶渋をキレイにする方法《歯科医院でのケア》
自宅でできる方法よりも高い効果を得たい方には、歯科医院でのケアがおすすめです。歯科医院での代表的な方法には、次の4つが挙げられます。
- クリーニング
- PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング
ホワイトニングに必要な回数や効果の持続期間を知りたい方は、こちらもご覧ください。
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1:クリーニング
歯科医院でのクリーニングは、専用器具を使用して茶渋や歯垢、歯石を除去します。通常の歯磨きでは落とせない着色汚れも、キレイにしてもらえます。
クリーニングの主な流れ
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歯や歯茎が健康な方なら、3カ月に1回程度が通院の目安です。また、歯科医院でのクリーニングは、保険が適用されるものと自由診療のものに分かれます。保険が適用されるクリーニングなら、1回3,000円~4,000円程度が相場です。
2:PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCは、自由診療でのクリーニングです。保険適用のクリーニングでは取り除けない、バイオフィルムも落とせます。バイオフィルムとは、細菌が集まって歯の表面で膜になったものです。PMTCでは、傷ついた歯の表面を埋めてツルツルの状態にするので、汚れが付着しにくくもなります。そのため、茶渋の除去はもちろん、虫歯や歯周病、口臭予防にも高い効果が見込まれます。
PMTCの主な流れ
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PMTCを受ける頻度の目安は3カ月~6カ月に1回程度で、費用は1回あたり8,000円~1万5,000円程度かかります。
3:ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、ホワイトニング剤を入れたマウスピースを装着して、歯を白くする方法です。マウスピース作成のために、初回のみ歯科医院へ行く必要があるものの、その後は自宅で対応できます。
ホームホワイトニングの主な流れ
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※ 求める白さによって必要な期間は変わります
1年~2年と効果が持続しやすく、時間をかけて白くしていくことで、自然な仕上がりにも期待が持てます。とはいえ、毎日のマウスピース装着や、ホワイトニング剤の影響で知覚過敏症になりやすいのがデメリットです。また、ホワイトニング期間中は、着色しやすい食べ物や飲み物を避けなければならず、保険も適用されません。ホームホワイトニングは、マウスピース代とホワイトニング剤代で2万5,000円~7万円程度かかるのが一般的です。
4:オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングのことです。ホワイトニング剤の効果を高める目的で、特殊な光を照射する場合もあります。
オフィスホワイトニングの主な流れ
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ホームホワイトニングのようにマウスピースを作成・装着する必要がなく、手軽にできるのが魅力です。ただし、即効性がある反面、色が戻りやすい点に注意が必要です。施術直後は、ホワイトニング剤の影響で歯が溶けやすく、着色しやすい状態になります。そのため、酸性が強いもの(レモンやオレンジなど)や、着色しやすいものの摂取は控えなければなりません。
オフィスホワイトニングは3回~6回程度の施術と、1回1万5,000円~5万円程度の費用が必要です。そして、ホームホワイトニングと同様に、保険は適用外です。
茶渋が気になる方は東京先進医療クリニックに相談を
歯に付着した茶渋をどうにかしたいとお考えの方は、東京先進医療クリニックでホワイトニングをしてみてはいかがでしょうか。当院では、一人ひとりのニーズに応えられるよう、複数の薬剤や方法を用意しています。高い効果を実感したい、知覚過敏症が気になるなど、要望や悩みは人それぞれですが、当院なら個々に合わせた方法でホワイトニングができます。白い歯を手に入れたい方は、お気軽に当院にご相談ください。
まとめ
紅茶や緑茶に含まれるタンニンなどが原因となって、茶渋による歯の黄ばみは起こります。また、歯磨きのやり方に問題があったり、エナメル質が薄かったりすることでも、歯は黄ばみやすくなります。放置してしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、早めのケアが欠かせません。茶渋のケアは自宅でもできますが、高い除去効果を得たい方は、歯科医院でのクリーニングやホワイトニングを検討してみましょう。歯科医院でのケアなら、頑固な茶渋にも対応できます。顔の印象に大きな影響をあたえる茶渋は、適切な方法でキレイにしましょう。
東京先進医療クリニックについて

「治療中の苦しさや恐怖心は仕方がない」「歯科へは何度も通うもの」と思っていませんか?東京先進医療クリニックでは、患者様のストレスに徹底的に寄り添うことに努めています。全身麻酔による歯科治療が可能であることも、そのうちの一つです。
先進的な機器を揃えた設備と高度な技術を持った医師、スタッフ一同でご来院お待ちしております。
監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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