
虫歯を治療する際、ただ治すだけでなく治療した歯をキレイに仕上げたい方も多いでしょう。ただ、審美性を求めると費用が高くなってしまう心配もあると思います。審美性を保ちながら費用も抑えたい方はコンポジットレジン(CR)という治療方法を検討してはいかがでしょうか。近年飛躍的に進歩を遂げたコンポジットレジンは機能性と審美性を兼ね備えた歯科材料として注目を集めています。ここでは、コンポジットレジン(CR)のメリット・デメリット、治療の流れ、適用治療例などをご紹介します。
コンポジットレジン(CR)とは?
コンポジットレジンとは、セラミック粒子と合成樹脂を8:2の割合で合わせた白いプラスチック素材のことです。ペースト状のプラスチックを歯に詰め、特殊な光を当てて固めるという治療方法で、自由度が高く最小限の治療で済むので、歯への負担が少ないとされています。略称で、「CR」や「レジン」と呼ばれます。
コンポジットレジン(CR)のメリット
コンポジットレジンを選択するにあたって、そのメリット・デメリットについて把握しておくことが必要です。まずはコンポジットレジンの料金や性質など、メリットについて詳しく見ていきましょう。
保険適用の治療なので費用が安い
コンポジットレジンの詰め物は保険適用のため、比較的安価に治療できるというメリットがあります。3割負担の場合、費用は1,500円前後といわれています。同じ保険適用の治療方法として銀歯が挙げられますが、銀歯は目立ち、金属アレルギーになる危険性もあるため、コンポジットレジンを選択する方が増えています。ただし、コンポジットレジンの被せものに関しては、一部保険適用外のため注意が必要です。
審美性が高い
コンポジットレジンは白いプラスチックの詰め物のため、天然歯となじみやすく、目立ちにくいというメリットがあります。白色もさまざまなバリエーションがあるので、自分の歯に合った色の詰め物にすることが可能です。金属による詰め物と違って、歯や歯茎に金属の色が沈着することもほとんどありません。審美性が高い治療方法として、他にセラミック(陶器)の詰め物が挙げられますが、自費治療となるため保険適用のコンポジットレジンと比べると費用が高くなりがちです。費用は抑えながら審美性を求めたい、銀歯は避けたい方におすすめです。
健康な歯を削らないで済む
金属の詰め物の場合、詰め物をはめ込むために虫歯だけでなく、健康な歯も削る必要があります。しかし、コンポジットレジンでは虫歯部分を直接埋められるため、虫歯以外の削る範囲を少なくできるというメリットがあります。歯を削る量が少なく、すぐに接着剤を塗るので感染症の危険性も少なくなります。自分の歯を大切にしたい人には、大事なポイントといえます。
コンポジットレジン(CR)のデメリット
保険適用で費用を抑えながら、審美性の優れた治療を受けられるのがコンポジットレジンのメリットですが、一方でいくつかデメリットも挙げられます。詳しく見ていきましょう。
強度が低い
コンポジットレジンは素材がプラスチックのため、金属の詰め物に対して強度が弱く、強い力の加わる奥歯などでは欠けたり割れたりすることがあります。強度の問題から、あまりに深い虫歯や、広範囲を削る場合には対応できない恐れがありますので注意が必要です。
経年劣化により変色する
コンポジットレジンは素材がプラスチックのため、長期の使用により若干の変色や艶の消失が見られることがあります。定期的なメンテナンスで維持・改善は可能で、もし変色してもすぐに研磨により修復できます。しかし、何度も修復を繰り返すと健康な歯も少しずつ削られてしまい、コンポジットレジンを詰める範囲がどんどん広がってしまう恐れもあります。
歯科医師の技術で仕上がりが左右される
型とりの必要な詰め物の場合、詰め物の精度は歯科技工士がカバーできますが、コンポジットレジンはすべての治療工程を歯科医師が行います。歯科医師のテクニックによっては、見た目や耐久性が大きく変わってしまう場合があります。治療の際は信頼できる歯科医師を見つけましょう。
コンポジットレジン(CR)の治療の流れ
コンポジットレジンのメリット・デメリットを見てきました。では実際に治療はどのように行われるのか、手順を追いながら詳しく見ていきましょう。
STEP1: 古くなった詰め物を除去
過去に虫歯の治療で詰め物をしたことがある場合は、まず古い詰め物を除去します。金属アレルギーの方には、メタルフリーのコンポジットレジンに置き換えられますので、安心して治療を受けられます。
STEP2: 虫歯を取り除く
専用の器具を使い、健康な歯を傷付けることなく、虫歯を取り除いていきます。型とりを必要とする歯の詰め物は健康な歯も削らなければなりませんが、コンポジットレジンの治療では虫歯部分のみの削除で済みます。ただし、虫歯の進行具合によってはコンポジットレジンが使用できない場合があります。
STEP3: ペースト状のプラスチックを詰めて、特殊な光を当てる
歯科用高性能接着剤とペースト状のコンポジットレジンを詰めていきます。専用の照射器から放たれる特殊な光を、3秒〜10秒あてることでしっかり固めます。
STEP4: 歯のかたちを整えて、かみ合わせをチェック
余分なコンポジットレジンを取り除いて、元の自分の歯に近い形へと整えていきます。細かく噛み合わせのチェックを行い、高ければ削ったり、表面をなめらかに磨いたりして完成します。
型とりが必要な詰め物は最低でも型とり・完成と2回の治療が必要ですが、コンポジットレジンの治療は通常1回で詰め終わります。治療時間が短いため、お忙しい方にもおすすめです。
コンポジットレジン(CR)の適用治療例
コンポジットレジンは、どの程度の虫歯の治療に使用されるのでしょうか?次は、コンポジットレジンが適用される治療例を2つ紹介します。
エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶けて小さな穴が空いている場合、C1と呼ばれる状態の虫歯です。神経には届いていないため、痛みなどの自覚症状はないことがほとんどです。治療の際は、歯を少し削って虫歯を除去し、そこにコンポジットレジンを詰めていきます。
C1とは、虫歯の進行度合いを表す専門用語です。数字が大きくなるほど、ひどい虫歯であることを意味します。
象牙質の虫歯
虫歯菌がエナメル質の奥にある象牙質まで届いている状態は、C2と呼ばれます。歯の表面にできる穴はC1よりも深く大きくなり、神経にも近づくことから、熱いものや冷たいもの、甘いものがしみるようになるのが特徴です。虫歯の部分を削って、神経を保護する薬を詰め、その後にコンポジットレジンで埋めます。型取りをして、インレーと呼ばれる詰め物で対処する場合もあります。
コンポジットレジン(CR)でのよくあるQ&A
費用はどのくらいかかるの?
保険診療の場合、3割負担なら歯1本あたり1,500円程度です。ただし、この他に初診料、再診料、レントゲンなどの費用がかかります。また、虫歯の大きさや部位などによって、必要な費用は変わる可能性もあります。
治療期間はどのくらい必要?
基本的には、歯1本につき1回の通院で治療は完了します。しかし、虫歯の進行度合いがひどい場合や治療本数が多いときは、その分だけ通院回数は増えてしまいます。なお、治療にかかる時間は1回あたり15分~30分程度です。
前歯も治療できる?
前歯はコンポジットレジンで、対応しやすい部位といわれています。しかし、すぐに欠けてしまうケースもあり、その際は他の治療法が検討されます。
何回も割れてしまう場合はどうするの?
コンポジットレジンは強い力には耐えられないため、何回詰めても割れたり欠けたりする方もいます。その場合は、被せ物などを検討する必要があります。
入れ歯やインプラントとは何が違うの?
入れ歯やインプラントは、歯を失った部分に人工の歯を入れて、噛み合わせや審美性などを回復させるための治療です。それに対しコンポジットレジンは、天然歯をできるだけ残すための治療です。
コンポジットレジン(CR)のご相談・診療・治療も承ります|東京先進医療クリニックのご案内
コンポジットレジンでの虫歯治療をお考えの方は、東京先進医療クリニックにご相談ください。当院では、痛みを抑えた治療を提供できるように努めています。
治療の際は、麻酔注射の痛みを軽減するために、まず表面麻酔を塗布します。その後の麻酔注射では、超極細の麻酔針と電動麻酔器を使用していることがポイントです。これにより、針を刺すときの痛みがより抑えられる可能性があります。加えて、麻酔薬を適温に温める工夫もしています。麻酔薬が冷たいと、刺激につながる場合があるからです。
こうした通常の麻酔をしても、治療の痛みに対する不安が大きい方には、オプションで笑気麻酔や全身麻酔を使用した無痛治療も提供しています。専属の麻酔科医が在籍しているため、歯科治療に対する恐怖心が強い方は、お気軽にご相談ください。
また、当院では治療前の問診・カウンセリングに時間をかけており、治療法のメリット・デメリット、治療費などを丁寧に説明しています。虫歯は放置していても改善しないので、痛みや違和感のある方は、早めに当院にご連絡ください。
まとめ
コンポジットレジンのメリット・デメリット、治療方法などについてご紹介しました。虫歯治療後の見た目が気になる方は、保険適用のため比較的安価で審美性の高いコンポジットレジンを検討してみてはいかがでしょうか。しかし、コンポジットレジンは歯科医師の技術力で仕上がりが左右されますので、費用だけではなく口コミや症例数なども事前に確認してからの受診をおすすめします。
東京先進医療クリニックについて

「治療中の苦しさや恐怖心は仕方がない」「歯科へは何度も通うもの」と思っていませんか?東京先進医療クリニックでは、患者様のストレスに徹底的に寄り添うことに努めています。全身麻酔による歯科治療が可能であることも、そのうちの一つです。
先進的な機器を揃えた設備と高度な技術を持った医師、スタッフ一同でご来院お待ちしております。
監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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