
インプラント治療は、入れ歯やブリッジに代わる治療として注目されています。歯科治療の方法を選ぶ際に気になるのは、費用や時間だけでなく、痛みが伴うかどうかです。ここではインプラント治療に伴う痛みや、腫れについて解説いたします。
インプラント治療はどれくらい痛い?
インプラント治療で感じる痛みは人それぞれ異なるため、どのくらい痛いのかを客観的に説明することは困難です。インプラント治療は手術を伴いますが、その場合は麻酔が行われるため、一般的にはインプラント治療では痛みはほとんどないといわれています。
親知らずの治療と比較してみましょう。親知らずの抜歯に関しても症状は人それぞれであるため、生え方が複雑な場合は抜歯に長い時間がかかります。それに対して、インプラント1本を埋め込みにかかる時間は約15~20分です。
親知らずの抜歯後の痛みは手術時間や出血量、歯茎を切開した度合いで異なり、腫れが大きい場合、それに伴って痛みも強くなる傾向にあります。
インプラントの手術中の痛みについて
骨を移植する方法
インプラントを埋め込む顎の骨が不足している場合には、別の部位を切開して骨を移植することがあります。その場合、インプラントを埋め込む手術だけでなく、骨を取るために切開した両部分の痛みを伴うケースが考えられます。
骨造成手術
骨の量が不足している場合、骨造成手術が必要になることもあります。十分な顎の骨がないと、インプラントが骨を突き抜けたり、歯茎から露出したりするためです。骨造成の代表的な方法には、「GBR法(骨誘導再生法)」・「サイナスリフト」・「ソケットリフト」があります。こうした骨造成手術が必要なケースでは、術後3日目をピークに10日間ほど腫れや痛みがでることが多いようです。
歯茎を移植する方法
骨を移植する場合と同様、インプラントを埋め込む歯茎が不足する場合は移植することがあります。十分な歯茎を確保しておかなければ、インプラントが露出する恐れがあるからです。この場合も、切開する箇所とインプラント手術を行う箇所の両方に痛みを伴います。
無切開手術
手術前にCT撮影などで精密な検査を行い、歯茎を切開せずに小さな穴を開けて行う手術です。フラップレス術式とも呼ばれ、切開しないため出血が少なく、術後の腫れや痛みを軽減できる手術法として注目されています。ただし、すべてのケースでこの手術法が採用できるわけではありません。
インプラントの手術時の麻酔について
麻酔の種類
インプラント治療に用いる麻酔は、「局所麻酔」と「静脈内鎮静法」があります。
局所麻酔は歯科治療でよく使われるもので、治療箇所のみを麻痺させる手法です。意識がはっきりしているため、治療・手術中も医師と会話も可能です。
静脈内鎮静法は、治療や痛み、治療中の音などに対して、恐怖心が強い方の不安を軽減させる方法です。全身麻酔のように完全に眠るのではなく、ウトウトしているような状態で治療・手術を受けます。ただし、静脈内鎮静法は鎮痛作用がないため、局所麻酔と併用して行われます。
不安や恐怖心だけではなく、本数やお口の状態によっては手術時間が長くなると判断された場合、静脈内鎮静法が推奨されるケースもあります。
しかし、静脈内鎮静法は別途費用がかかる、当日は車の運転ができない、食事制限があるなど、いくつかデメリットがありますので、医師とよく相談したうえで決めましょう。
麻酔の副作用・注意点
インプラント治療の限らず、麻酔には副作用のリスクがあります。過去に麻酔で体調が悪くなった、服用中の薬があるなど、事前に医師へしっかりと伝えましょう。麻酔による副作用として、アレルギー反応、血圧上昇、手足のしびれ、吐き気などが挙げられます。これらのリスクを医師から十分な説明を受け、副作用について理解したうえで手術を行うか決めましょう。
インプラントの手術時の注意点
手術前の注意点
インプラント手術日を決めたら、手術前は十分な睡眠をとり、体調を整えておく必要があります。手術前の数日間は、無理な行動を避けるのが無難です。喫煙は、インプラント治療の妨げとなりかねないため控えましょう。
その他、術後は腫れが続く恐れがあるため、仕事や外出の予定を考慮したうえで、手術日を決めることをおすすめします。
手術当日の注意点
手術当日は、ゆったりとリラックスできる服装で病院に向かいます。加えて、口周りを消毒したり、指先に器具を装着したりするので、メイクやマニキュアは控えめにしておきましょう。
また、しっかりと歯磨きをして、食べ残しや汚れはできるだけ落としておいてください。手術何時間前までに食事を済ませておくべきか明確な指示があるので、それに従いましょう。
当日は麻酔を伴う手術を受けるため、治療後に自分で車やバイクを運転して帰ることは危険です。公共の交通機関やタクシーを利用するか、家族に送迎をお願いしておくと安心です。
手術後の注意点
前述したように手術中は麻酔をするため、痛みはほとんどありません。痛みができるのは主に、麻酔が切れた手術後です。そのため、患部が気になっても手で触れたり、ブラッシングで刺激したりなどは避けてください。腫れが続いている間は、運動など血行を良くする行動も避ける必要があります。また、喫煙や飲酒も2週間程度は控えましょう。
インプラントの手術後の痛みと対策について
痛みや腫れはいつまで続くのか?
術後の痛みは翌日、腫れは2~3日後にピークを迎え、1週間~10日程度で治まっていきます。もし2週間経過しても痛みや腫れが引かない場合、感染症といった何かしらの原因が考えられますので、速やかに歯科医院を受診しましょう。
痛みを抑える対策と注意点
・処方された薬をきちんと服用する
術後には痛み止めや抗生剤など、患者さんの状態に合わせた薬が処方されます。それぞれ医師の指示、用量・用法を守って服用しましょう。鎮痛剤を服用しても痛みが治まらない、がまんできないほど痛む場合は、歯科医院に相談して医師からの指示に従ってください。
・歯磨きの際に注意する
患部が気になっても、歯磨きの際は患部にできるだけ触れないようにしましょう。歯磨き粉も患部を刺激するものが含まれているため、使用しないのが無難です。ただし、患部以外の部分は歯磨きが必要です。
・できるだけ安静に過ごす
術後は、できるだけ安静に過ごしましょう。運動や激しい行動などで血行が促進されると、痛みが増してしまう恐れがあります。
また、喫煙や飲酒は患部の傷が開いてしまう、出血が止まりにくくなるなどのリスクがあるため、2週間程度は控えましょう。
・入浴に関する注意点
術後の数日間は湯船につかるのは避け、シャワーだけで済ませましょう。運動と同じく、血行が促進されて痛みが出てしまう恐れがあります。
・歯科医院へ相談する
術後の注意事項を守っていても、腫れが引かない場合や激しい痛みが続くことがあります。また、鼻からの出血、膿が出る、下唇が腫れる、しびれるなど、何かしらの症状が現れる方もいます。
鎮痛剤を服用しても痛みが緩和されない、何か症状が出ているといった場合は、速やかに歯科医院へ相談しましょう。
まとめ
インプラント治療の痛み、手術前後の注意点などについて解説しました。インプラント治療を検討している方は、自分が受ける治療法についてしっかりと理解した上で決めましょう。その際、心配なことや副作用、リスクなど、きちんと説明してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。治療や手術中の痛みへの恐怖心が強い、歯科治療そのものに対して不安が大きい方も、歯科医院ではさまざまな工夫を取り入れていますので、一度足を運んでみることをおすすめします。また症状によっては、インプラントだけが治療の選択肢ではなく、セラミック治療で解決できる可能性もあるため、どちらの治療法にも対応しているクリニックに相談することが大切です。
東京先進医療クリニックについて

「治療中の苦しさや恐怖心は仕方がない」「歯科へは何度も通うもの」と思っていませんか?東京先進医療クリニックでは、患者様のストレスに徹底的に寄り添うことに努めています。全身麻酔による歯科治療が可能であることも、そのうちの一つです。
先進的な機器を揃えた設備と高度な技術を持った医師、スタッフ一同でご来院お待ちしております。
監修ドクターの紹介

学歴
2003年 愛知学院大学歯学部 卒業
経歴
2003年 医療法人林歯科医院 勤務
2009年 ロイヤルデンタル林 開業
2016年 中之島デンタルクリニック 院長
2018年 東京先進医療クリニック 入職
資格
Invisalign CERTIFICATE
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