
審美性の観点からだけでなく、健康維持のためにも歯並びを整え、きちんとした噛み合わせができるよう歯科矯正を考えている方は少なくないと思います。歯科矯正と聞くと歯の表面にブラケットを接着してワイヤーを通す従来の方法を思い浮かべますが、マウスピース矯正なら目立たずに矯正可能です。以下ではマウスピース矯正の効果・メリット・デメリット・ワイヤー矯正との違いを説明します。
マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正とは透明度の高い素材で作られたマウスピースを歯に装着することで、少しずつ歯を動かし矯正していく方法です。一度作成したものをずっとつけ続けるのではなく、治療計画に合わせて2週間から1ヶ月に1回マウスピースを交換し希望の形に近づけていきます。
世界各地でマウスピース矯正の主流となっているのは「インビザライン」です。インビザラインとはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース型カスタムメイド矯正装置のことであり、世界中から収集・蓄積した膨大な臨床データに基づき最新デジタル技術を駆使してマウスピース(アライナー)を作成します。インビザライン以外のマウスピースだと交換のたびに歯型をとる必要がありますが、インビザラインなら最初の1回のみの採取でその後の歯の移動をコンピューターでシミュレーションし、治療計画を立てられます。
リンク:https://www.admd.jp/oralsurgery/invisalign/
マウスピース矯正の効果・治療期間
マウスピース矯正はワイヤー矯正のように歯を大きく動かすのには向いていません。むしろ、狙った歯をピンポイントで動かすのに適した矯正方法といえるでしょう。一般的な治療期間は早くて5カ月、長い場合は2年程度かかります。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正はよく知られているワイヤー矯正と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?
目立たない
マウスピース矯正の最大のメリットは、透明のマウスピースを用いるため目立たず、ほかの人から気付かれにくいということです。営業の仕事など、人と接する機会が多い場合でも安心です。
取り外しが可能
ワイヤー矯正の悩みのひとつが常時装着しているため、食べかすや汚れがたまりやすいことです。お手入れする際も器具が邪魔できちんと磨けていない感じがします。しかし、マウスピースは食事や歯磨きの際に取り外し自由であり、そうしたストレスを軽減できます。
金属アレルギーの心配がない
ワイヤー矯正は一般的に金属の矯正装置を常時装着しているため、金属アレルギーの心配があります。マウスピースに金属は使用していないため、アレルギー体質の方も安心です。
お口のトラブルを減らせる
ワイヤーは金属製なので、気を付けていても口腔内を傷つけたり、口内炎の原因になったりすることがあります。また、歯磨きの手間もかかることから、こまめなケアを怠れば虫歯や歯周病につながりかねません。それとは対照的にマウスピースによって口を傷つける可能性は低いですし、取り外して歯磨きもできるためお口のトラブルを軽減できます。
脱落の心配がない
頻繁に起きることではありませんが、ワイヤー矯正では矯正力がかかると脱落の心配があります。この点、マウスピースは歯に被せるタイプの矯正装置ですから、脱落のストレスはほとんどないといってよいでしょう。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正のメリットを挙げると従来のワイヤー矯正に比べて優れているように見えますが、デメリットもきちんと理解しておく必要があります。
適応できる症例に限界がある
マウスピース矯正の最大のデメリットは、ワイヤー矯正と比べて脱落のストレスはほとんどないという点です。出っ歯や受け口など、抜歯して口元を大きく変化させるような場合はマウスピースだけでは矯正が難しいこともあります。
装着時間が長い
メリットの部分でマウスピースは取り外しができる点を挙げました。しかし、だからといって自分の好きなように脱着してよいということではありません。希望の形に歯列を矯正するためには1日20時間以上の装着が必要とされていますから、食事中と歯磨き以外はずっと付けておかなければなりません。
装着中の制限が多い
マウスピース矯正の場合、取り外し可能なため装着した状態での飲食は想定されていません。つまり装着中は虫歯の原因となるジュースやお菓子を基本的に摂取できませんし、仮にノンシュガーであったとしてもお茶やコーヒーは着色する恐れがあるため避けたほうがよいでしょう。
効果がでるかは本人次第
ワイヤー矯正はいったん装着すれば常時つけていますから、本人の意思にかかわらず一定の期間が経過すれば矯正効果を期待できます。それに対し、マウスピース矯正はどれだけの時間装着するかは本人次第です。煩わしいと感じて頻繁に取り外すようなことになれば、期待した効果を望めない可能性もあります。
マウスピースのケアが必要
歯のお手入れに加えてマウスピースも水やぬるま湯で洗浄し、ケアする必要があります。基本的に毎日行う必要がありますから、それが面倒くさいと感じる方にはマウスピース矯正は向いていないかもしれません。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
以上マウスピース矯正のメリット・デメリットを挙げましたが、従来のワイヤー矯正と比較してその特徴をまとめておきましょう。
見た目
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットとワイヤーを接着するため目立ちますが、マウスピース矯正は透明素材で作られていますし、脱着可能なためほかの人から気付かれにくいといえます。
痛み
ワイヤー矯正は装置をつけてから数日は強い痛みを感じることがありますし、金具で口腔内を傷つける可能性もあります。マウスピース矯正にはその心配はほとんどありません。
治療期間
治療期間はワイヤー矯正、マウスピース矯正かかわらず個人差があります。どちらも1~2年ほどで治療が終了しますが、ワイヤー矯正は複雑な症例も対象にしていることが多いため、3年以上かかることもあります。
価格
一般的にワイヤー矯正のほうがコストは安く、相場は60~100万円、マウスピース矯正は平均的に80~100万円程度です。
自己管理
上述したようにマウスピースは脱着可能のため、どれだけ装着するかは本人に委ねられています。そのため、ワイヤー矯正よりも自己管理が求められるでしょう。もっとも、ワイヤー矯正が常時装着しっぱなしといっても歯磨きなどのケアを怠ってよいわけではなく、自己管理は必要です。
マウスピース矯正はこんな方におすすめ
マウスピース矯正の特徴を踏まえると、以下のような方にこの治療法はおすすめです。
(1)大きく歯を動かす必要がなくピンポイントで矯正したい方
(2)矯正していることを知られたくない方
(3)自己管理ができて、毎日20時間以上マウスピースの装着が可能な方
まとめ
以上、マウスピース矯正のメリット・デメリット・効果をワイヤー矯正と比較してご説明しました。歯科矯正にはほかにも裏側矯正と呼ばれる方法もありますが、それぞれに一長一短があります。それをよく理解して、ご自身の歯の状態に合った矯正方法を選択することが大切です。歯科医とよく相談して、健康できれいな歯を目指しましょう。
東京先進医療クリニックについて

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