
歯の黄ばみは自分が思っている以上に相手に与える印象を悪くしてしまうことがあります。例えば、「老けて見える」、「不潔」、「仕事ができなそう」といったイメージを持たれてしまう可能性もあります。鏡を見て歯の黄ばみが気になるようになったら、白くするための対策を講じましょう。特に大切な面接を控えていたり、仕事で人と会ったりする機会が多い方は以下を参考にして歯の黄ばみの原因を知り、白くするための対策を始めることをおすすめいたします。
歯が黄ばむ原因
歯を白くするための対策を講じるには、まず歯が黄ばむ理由を理解しておく必要があります。以下では代表的な原因を3つ取り上げます。
加齢による黄ばみ
歯の本体は象牙質と呼ばれます。その象牙質はエナメル質によって覆われており、エナメル質と象牙質の間にはセメント質と呼ばれる層があります。一口に歯が黄ばむといっても表面のエナメル質が黄ばむ場合と、象牙質が黄ばむ場合があります。というのもエナメル質は半透明で象牙質の色を透過させるため、内側にある象牙質が黄ばむことで歯そのものが黄ばんで見えるのです。
象牙質は加齢とともに色が濃くなるといわれています。つまり、より黄色く見えてしまうことがあります。象牙質はもともと「真っ白」というよりは「黄色がかった」色をしていますが、加齢とともに表面を覆っているエナメル質が削れてくると象牙質の黄色が強く出るようになり、歯が黄色く見えるようになるのです。
生活習慣による黄ばみ(ステイン着色)
生活習慣による黄ばみはどちらかというと象牙質ではなく、エナメル質と関係しています。日常生活の中で摂取する飲み物や食べ物の色素がエナメル質と結びつき、歯に付着し、蓄積していきます。具体的にはコーヒーや紅茶に含まれているタンニンやカテキン、赤ワインやチョコレートに含まれるポリフェノール、さらにはタバコのヤニも白い歯には大敵です。
歯の表面には、虫歯菌が食べ物のカスを分解するときに発生させる酸から歯を守るペリクルという薄い膜がありますが、色素をくっつけてしまうことも知られています。そのため上述したような色素がエナメル質に付着してしまうのです。その汚れはステイン着色と呼ばれます。最初にエナメル質の表面に付着していたステインは時間とともにエナメル質の内部にまで浸透してしまうことが指摘されています。
虫歯による黄ばみ
虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌が増殖すると、摂取したおやつやジュースに含まれる糖を栄養にして酸を作り出し、カルシウムやリン酸など歯のエナメル質にあるミネラル成分を溶かしてしまいます。この過程を「脱灰(だっかい)」といいます。通常、溶け出したミネラル成分は唾液によって再びもとに戻ります。これを「再石灰化」といい、口の中では「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されることにより、均衡を保っています。しかし、甘いものの食べ過ぎでミュータンス菌が増殖し過ぎるとそのバランスが崩れ、脱灰が進んでしまいます。つまり溶け出したミネラル成分が戻らないため、歯の表面に小さな凸凹ができ、光が乱反射するため歯の色がくすんで見えてしまうのです。
歯の黄ばみを白くする対策
以上、歯の黄ばみの原因を3つ取り上げました。次にどうしたら黄ばみを取り除いたり、歯を白く見せたりできるかを解説いたします。
正しく歯磨きする
歯の黄ばみを白くする基本は何といっても正しく歯磨きをすることです。歯磨きの最大の目的は歯垢(プラーク)を落とすことで、それにより脱灰を防ぎ、余分な歯の表面に沈着する余分な色素を洗い流し、結果的に白い歯を保てるのです。
歯磨きのポイントは磨き残しがないように歯の裏側、表側、噛み合わせ面と3つに分けて順番を決めて磨くことです。歯を磨くときには「毛先の当て方」「力加減」「動かし方」に注意します。毛先はプラークがたまりやすい歯と歯肉の境目、歯と歯の間にきちんと当てるようにします。力の入れすぎに注意し毛先が広がらない程度で磨き、歯ブラシを小刻みに動かしプラークをしっかり落とすために、できれば1ヶ所20回以上は磨きましょう。
ホワイトニングに特化した歯磨き粉を使う
歯磨き粉の中には、ホワイトニングに特化した歯磨き粉もあるため活用できるでしょう。例えば、分割ポリリン酸ナトリウム配合の歯磨き粉は歯とステイン間の結合を弱めて落とすだけでなく、新たな汚れもブロックする効果が認められています。また、歯の再石灰化を促進する働きもあるため、黄ばみを落とす上では有効な成分といえるかもしれません。
喫煙の習慣がある方はタバコに含まれるヤニが黄ばみの原因になりますが、ポリエチレングリコール配合の歯磨き粉はヤニを溶解する働きがあるといわれています。ただし、歯への負担も大きいため、使用する頻度に注意が必要といえるでしょう。
より一般的なものとしては歯の再石灰化を促し、虫歯菌に作用して酸の生成を抑制する働きをもつフッ化ナトリウムなどのフッ素配合の歯磨き粉の使用も効果的といえるでしょう。
歯科クリニックでのホワイトニング
以上2点は自宅で行える歯のメンテナンスですが、すでに黄ばんでしまった歯を劇的に白くすることは難しいといわざるを得ません。目に見える効果を望むのであれば、歯科クリニックでのホワイトニングをおすすめいたします。
歯科クリニックでのホワイトニングはクリニックで行う「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」、その両方を並行して行う「デュアルホワイトニング」の3種類があります。一般的に、オフィスホワイトニングでは過酸化水素、ホームホワイトニングでは過酸化尿素という薬剤を使用します。
オフィスホワイトニングは歯科医院で高濃度のホワイトニング剤を使用し、1回あたり1時間の施術を行い、それを3~6回繰り返します。それに対して、ホームホワイトニングは初回のみ歯科医院でマウスピースを作成し、あとはそれに薬剤を入れて自宅で装着し続けることで歯を白くしていきます。
生活スタイルや費用に応じて自分に合ったホワイトニングを選択できますが、いずれも一度施術すればずっと続く白い歯が手に入るわけではありません。先に挙げた自宅で行う毎日のケアが欠かせないことも覚えておきましょう。
歯の白さを保つためにできること
手に入れた白い歯をできるだけ長く保つためにはどんなことが必要でしょうか?以下に2つ挙げておきます。
よく噛んで食べる
当たり前ですが、よく噛んで食べれば歯がすぐに白くなるわけではありません。上述したように歯の色のくすみは脱灰と大きく関係しています。脱灰して溶け出したミネラル成分を戻すためには再石灰化、つまり唾液の働きが欠かせません。よく噛んで食べれば唾液の分泌が促進されるため、再石灰化が促されることになります。
歯並びの美しさという観点からすると、よく噛んで食べることはあごの筋肉を鍛えることにつながるといわれています。また、よく噛む習慣はきれいな歯並びにも欠かせないことがわかっています。よく噛んで食べる習慣を培うためには、食材を大きめに切ったり、固めのものや噛み応えのあるものを選んだりするのもひとつの方法です。
食事の後の歯磨き頻度を高める
歯の黄ばみの原因となる脱灰を防ぐためには、おやつや食事の後歯磨きの習慣をつけることが大切です。なぜなら、食後まもなくプラークで覆われた歯の表面は酸性になり、ミネラル成分が溶け出しやすい状態になるからです。また、食後やおやつの後の歯磨きで、ステイン着色につながりかねない食べカスを取り除くことができます。歯磨きの頻度を高めれば高めるほど、ステインの蓄積を防げるため、黄ばみから歯を守ることが可能になります。加えて睡眠中は唾液の分泌が減るため細菌が増殖しやすくなるため、就寝前の歯磨きも必須といえるでしょう。
まとめ
以上、歯の黄ばみの原因と白くするための対策についてご紹介しました。一口に歯が黄ばむといってもいくつかの原因があることがお分かりいただけたと思います。少しでもステイン着色の少ない食べ物や飲み物を選ぶのも大切ですが、あまりストイックに食事を制限しても続きません。やはり大切なのは食後、就寝前の丁寧な歯磨きといえるでしょう。黄ばみがどうしても気になる方は、歯科医に相談してホワイトニングについて尋ねてみるのもよいかもしれません。
東京先進医療クリニックについて

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