セラミックの種類は?種類ごとの特徴とおすすめを解説
最終更新日:2023.2.13

セラミックの種類は?種類ごとの特徴とおすすめを解説

歯科治療において以前は詰め物や被せ物に金属を使用するのが一般的でした。しかし、今では審美性が優れていて、金属アレルギーの心配もないセラミック治療が主流になりつつあります。ただ一口にセラミックといっても様々な素材がありますし、それぞれに特徴、メリットやデメリットがあります。自分の症状にあった適切な治療のためにはセラミックに関する基本的な知識をもっておくことが大切です。今回はセラミックの種類ごとの特徴とおすすめについて詳しく解説いたします。

セラミック共通の特徴

セラミックは陶器と同じ材質です。そのため、セラミックには金属とは違った様々な特徴があります。セラミックの具体的特徴を以下、詳しく説明しましょう。

高い審美性

セラミック共通の大きな特徴は、高い審美性です。金属を詰め物や被せ物に使うと、見た目からすぐに治療したことが分かりますが、セラミックは透明感があり、さらに調整することにより自然な発色を再現できるため天然の歯と違いが分からないほどです。

高い強度と耐久性

セラミックは陶器なので、特徴として硬度が高く熱に強い点が挙げられます。また酸化や腐食にも強く、化学的にも安定しているため、歯科治療に適した素材のひとつであるといえます。しかし、事故などで一部が欠けたり割れたりするケースもあるので注意が必要です。

虫歯の再発を予防しやすい

セラミックはどの素材も表面にプラークが付着しにくいため、虫歯予防の観点からも優れています。セラミックの詰め物や被せ物は製作する過程で銀歯よりも誤差が生じにくく、歯にしっかりと接着するため、隙間に虫歯菌が入りにくいという特徴があります。

オールセラミック

以下ではセラミック治療として一般的に用いられる素材を具体的に取り上げます。最初にオールセラミックの特徴についてみてみましょう。

オールセラミックの特徴

≪利点≫透明感があり審美性に優れている
≪欠点≫金額が比較的高価、1本ずつしか入れられない為ブリッジ不可

オールセラミックは100%セラミックでできており、透明感があり審美性に優れています。年数経過による変色もしにくくなっています。

オールセラミックはこんな方におすすめ

オールセラミックはその名のとおり、100%セラミックを用いた治療法です。そのためセラミック治療の中でも審美性、耐久性の点で優れています。審美性を重視する方や、治療の部位が前歯など目立つ場合にオールセラミックがおすすめです。ただ費用がほかの治療に比べて高額になるため、できるだけ費用を抑えて治療したい方には向かないでしょう。

ジルコニア

セラミック治療で用いる素材の中でもここ数年で飛躍的に研究が進み、使用される機会が増えたのがジルコニアです。

ジルコニアの特徴

≪利点≫強度が非常に高く、奥歯でも対応可
≪欠点≫金額が比較的高価、透明感がオールセラミックより劣る

ジルコニアは二酸化ジルコニウムとも呼ばれ、人工ダイヤモンドの一種です。耐久性が非常に高いので奥歯など、よく歯を使う(噛む)場所に向いています。
奥歯にはメタルボンドと呼ばれる金属のフレームにセラミックを焼き付けたものを使用するクリニックもありますが、当院では金属アレルギーゼロを目指してジルコニアを推奨しています。

ジルコニアはこんな方におすすめ

ジルコニアに限ったことではありませんが、金属ではないためアレルギーの心配がなく、体に優しい治療を希望する方におすすめです。金属アレルギーは口腔内だけでなく、溶け出した原因物質は血液の循環によって体全体に運ばれるので、歯科治療との因果関係を特定するのが困難です。また数年経過した後に突然アレルギーを発症することもあるため、できるだけリスクはゼロに近づけておきたいものです。
また、ジルコニアの最大の特徴はその強度のため、噛むときに大きな力がかかる奥歯の治療に適しています。金属を使用した場合、奥歯であっても角度によっては見えてしまう恐れがありましたが、ジルコニアは強度に加え審美性も優れているため、天然の歯との違いは分からないほどです。

ジルコニアってどんな素材?セラミックとの違いをメリット・デメリット・料金から比較

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックとはその名のとおり、ジルコニアとセラミックの利点を組み合わせた素材です。

ジルコニアセラミックの特徴

≪利点≫ジルコニアの強度とセラミックの透明感を合わせることで両者の利点を取り入れた歯です
≪欠点≫製作の工程が複雑なことにより金額が高価

ジルコニアセラミックはメタルボンドの代わり、ジルコニアのフレームにセラミックを焼き付けた物です。透明感も耐久性も高くおすすめですが、費用を抑えたい方にはジルコニアかオールセラミック単体のものを相談しておすすめしています。

ジルコニアセラミックはこんな方におすすめ

奥歯の治療をする際にもっとも大切なのは強度です。強度だけを考えると、金属や後述するメタルボンドも優れた素材といえますが、心配なのは金属アレルギーです。この点、ジルコニアは強度に優れており、しかも金属ではありませんので金属アレルギーのリスクをゼロにできます。もちろん外側にはセラミックが焼き付けてありますから、審美性も申し分ありません。ただ、デメリットとしてはオールセラミック同様費用が高い点が挙げられます。費用面で余裕があり、金属アレルギーが心配な方はジルコニアセラミックをご検討ください。

メタルボンド

メタルボンドの正式名称は「陶材焼付鋳造冠」で、歯の土台に合わせて金属を鋳造し、その外側の見える部分にのみセラミックを使用するクラウン(差し歯、被せ物)のことです。セラミック治療として多くのクリニックで採用されてきたもので、オールセラミックよりも長い歴史があります。

メタルボンドの特徴

メタルボンドはオールセラミックに比べて強度面が優れているといわれてきましたが、前述したようにセラミック素材の研究が進み、金属と比較しても劣らない強度を持つセラミックが登場しています。ただ、そのほかのセラミック素材と比べてメタルボンドが確実に優っている点は、治療法として長く使用されてきたため多くの症例やエビデンスの蓄積があることです。そのため、治療後のケアやトラブルにも対応しやすいといえます。ただ、内部は金属のため、金属アレルギーのリスクはゼロではありません。

メタルボンドはこんな方におすすめ

メタルボンドはオールセラミックに比べると審美性は劣るため、前歯など目立つ部分よりも奥歯などの目立ちにくい部位の治療に向いているでしょう。中は金属ですから、強度面でも強い力がかかる奥歯に適しています。費用面ではオールセラミックやジルコニアセラミックよりも低めに設定しているクリニックがほとんどです。
ただ、メタルボンドの最大の難点は金属アレルギーの可能性があることです。アレルギー体質の方や体への影響をできるだけ少なくしたい、という方には向いていないでしょう。

まとめ

以上、セラミック治療で用いられている4つの代表的な素材について解説しました。それぞれにメリットやデメリット、特徴についてお分かりいただけたと思います。セラミック治療は非常に優れた治療法ですが、保険適用外のためどの素材を選ぶかは慎重な検討が必要です。大切なのはご自分の症状や治療する部位、経済的な負担を考慮して、最適な治療を選ぶことです。歯科医としっかりコミュニケーションをとり、納得した上でベストなセラミック治療を受けられるようにしましょう。

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